便潜血検査とは
便潜血とは、便の中に見た目ではわからない量の血液が混じっていないかを調べる検査です。硬い便が通過する位置に大腸がんや大腸ポリープがあると、便が通過する際に傷ができて極少量の出血が起こることがあります。こうしたわずかな出血を検知して大腸がんの早期発見につなげる目的で行いますが、陽性でも痔などによる出血である場合も多く、逆に進行がんがあっても陰性になってしまうこともあります。そのため、陽性が出た場合には精密検査が必要になりますし、陰性だから安心とは言えません。
検査手法に関して以前は科学法も用いられていましたが現在は食事内容に左右されにくい免疫法が主流になっています。精度を上げるために2回検査する2日法を免疫法で行うことが推奨されています。
便潜血検査で陽性の方へ
陽性であるということは、便の中に血液が混じっていたということです。消化管から何らかの原因で出血を起こしているわけですから、精密検査が必要になります。あくまでも大腸がんや大腸ポリープがある可能性がある状態ということなので、精密検査の結果、痔など他の疾患による出血だったとわかることも多くなっています。
大腸がんについて
大腸がんのほとんどは大腸ポリープから発生します。自覚症状に乏しいため発見が遅れるケースが多いのですが、早期に発見できれば内視鏡で切除を行って完治も可能な病気です。また、大腸ポリープを切除してしまうことで将来の大腸がん予防にもつながります。
大腸がんは罹患者数・死亡者数ともに増え続けている疾患で、がんによる死亡原因として上位を占めており、2020年には男女ともに第1位になると予想されています。大腸内視鏡検査は症状のない早期の大腸がんや大腸ポリープ発見に唯一、有効な検査であり、検査中に切除できるため治療も完了します。
便潜血と大腸がん
便潜血陽性は、便に肉眼では見分けられないほど微量の血液が含まれていることであり、消化管のどこかから出血しています。消化管から出血する病気はたくさんあり、大腸がんもそのひとつです。便潜血検査は大腸がん検診として行われていますが、実際に1000人が検査を受けた場合、約50人が陽性となり、陽性50人のうち大腸がんであるケースは1~2人だと報告されています。
大腸内視鏡検査を受けましょう
大腸内視鏡検査は、大腸の粘膜を直接観察できますし、組織を採取して確定診断が可能です。また検査中に発見したポリープはその場で切除する日帰り手術が可能です。
便潜血検査で陰性の方
大腸がんやポリープが水分を多く含んだやわらかい便の通過する場所にある場合、便が通過しても出血を起こさないため発見できないことがあります。便潜血検査はあくまでも目安であり、陰性になったから大腸がんや大腸ポリープが無いということではありません。早期であれば内視鏡による切除で完治可能ですが、進行させると大変な治療が必要になってお仕事や生活に大きな支障を与えます。陰性であっても、大腸がんになったご家族がいる方、リスクが上昇しはじめる40歳を超えた方は、1度は内視鏡検査をご検討ください。当院では経験豊富な専門医が楽に受けられる精密な内視鏡検査を行っていますので、お気軽にご相談ください。